会社法改正と税制改正により生まれた持株会社設立の新手法『株式交付』のポイントをやさしく解説!
税金もかからず、資金も不要な新しい持株会社の作り方です。
令和3年4月スタートの新手法をいち早く解説します。
※『所得税法等の一部を改正する法律案』の公表により、スタート月の表示を変更しました(2021/1/29)
持株会社を作る場合の古典的な方法は、新会社を設立して、その会社で株を買い取る方法です。
単純で分かりやすい方法ですが、
などの特徴(欠点)があるため、
株主が分散している場合や株主にお金が必要な場合、本体会社が収益力が非常に高い場合など、お勧めできるケースは限られています。
会社法のしくみで持株会社を作る方法があります。『株式交換』『株式移転』という制度で、平成11年からある制度です。
株式交換は既存の会社を親会社とする制度、株式移転は新会社を設立して親会社とする制度です。
という特徴(メリット)がありますが、
という特徴(欠点)もありました。
そのため、取引先や従業員持株会などの外部株主がいる場合に、一族の株の分散を防ぐため、持株会社を作りたいというようなケースには使えませんでした。
令和元年の会社法改正と令和3年度税制改正により、手法➁株式交換・株式移転の欠点を解消する新制度がスタートします!
株式交付という新たな方法により、
だけでなく、
なので、とても使い勝手がよくなりました!
(持株会社は既存の会社を利用するか、別途設立した上で行います。)
しかし、令和5年度税制改正により、令和5年9月をもって同族会社は利用できなくなります。
株式交換・株式移転や株式交付は、組織再編と呼ばれます。
いずれも会社法で手続きが法定されています。また、株式交換・株式移転は組織再編税制と呼ばれる税制の適用を受けます。税制適格の要件を満たさない場合、多額の課税が発生することもあります。
株式交付も課税が生じないためには要件があります。
このように会社法の規定や税制は複雑で、事前の綿密な準備が欠かせません。
また、株式交換比率、株式移転比率、株式交付比率は適切に設定しなければ、余計な課税が発生しかねません。
これらの立案・実行には、複雑な組織再編に関する法務・会計・税務についての横断的な知識と豊富な経験が不可欠です。
税理士事務所クオリスは、これまで蓄積したノウハウをもとに、プランニングから実行、アフターサービスまで、強力にサポートします。